チラシの裏

「チラシの裏にでも書いとけ」のチラシの裏にあたるところ

素晴らしき日々 感想 雑感

ケロQ素晴らしき日々をやりました

 

きっかけとしては、このゲーム話はいいけどグロ、電波、鬱展開があるぞ注意みたいな感じでレビューサイトに載ってたんですね

んで暗い話好きな自分としては全部好きやんええやんって思って体験版をプレイ、そんで音楽と雰囲気にやられて購入って流れになったわけっす

 

繰り返しになりますがまず音楽が良かったですね

この本編冒頭から流れる夜の向日葵

Subarashiki Hibi - Yoru no Himawari

これが久石譲のsummerやAIRの夏影のように爽やかな雰囲気の中に寂しさ儚さを感じるほんとにいい曲でこの曲聴けただけでこのゲーム買って良かったなと思えました

 

本編の内容に言及すると、買った時に期待していたグロ、電波、鬱は物語の彩り程度のレベルに抑えられてて思ったよりハードではなかったなという印象

なので目当ては外れた感じなんですがそれ以上に話が良かったですね

 

一つは群像劇特有の面白さでそれぞれの主人公のパートであー、いま〇〇(他のキャラ)は××してる頃かあって想像することで話(というか作中世界)に厚みを感じられました

まさか由岐や卓司がのんびりしてる頃に高島さんいじめられてるとは思わないよね。つらい。

こういう形式だと時間軸的に一本道の話より誰でもそれぞれ問題を抱えているっていうのが強調される感じがあって後述するテーマの強調にも一役かってるかなあと

 

それとテーマ性

ゲームの箱に入ってた資料集にテーマは幸福に生きよですみたいなことが書いてあって、なるほどねって思ってプレイしたわけですが、そう考えると各章がバッドエンドから次に進めるのもツラいこと沢山あるけどそれでも頑張って生きろよってメッセージを感じます

動物は死を知らない故に生は幸福で永遠の相を生きられるが、人間は死を知っているが故に生は絶望で永遠の相には生きられない、しかしその永遠の相を可能にするのは言葉と美しさと祈りでこの3つの力を持って幸福に生きよ、みたいな話が作中にありましたが、これが個人的に非常に共感できる

今が不況の時代っていうのもありますが、基本的に未来を想像しても良いことなんかありませんし生きるのつれえって瞬間があるわけですよ

僕も今こそそこそこ楽しく毎日過ごしてますけど、浪人して毎日死んだ目で予備校に通っていた時は死にたいなんてことほんと日常的に思ってたわけっす

でもほんとにつらくなると急にそんなことが馬鹿らしくなってきたんです

世の中はこんなに穏やかに回ってるのに自分は何悩んでんだろうなーみたいなね

なので良き世界となれという祈りや、世界の美しさを持って絶望の中でも幸福に生きよっていうメインテーマはとても心に響くものがありました(言葉については実感なくてわかりませんでしたが)

 

そんな感じですかね

 

以下雑感

タイトルの素晴らしき日々とはなんだったのかの話

まず一人の魂の無限転生としてできた世界は7月20日を境界線(世界の限界)として一旦終わったのではないのかなって思います。音無の終わってすぐまた始まるなんて(うろ覚え)みたいな台詞や終ノ空の話とも一致するような。そんで由岐は終ノ空Ⅱで消えてまた別の人格として転生するので7月20日を越えることができず、一種のループ物のように閉じ込められるわけですが、そのループの中での穏やかな日常やあるはずのなかった日常が素晴らしき日々の意味だったのかなあって。序章ラストで高島さんが確かにこの日常は素晴らしき日々でしたと言っていたことや終ノ空Ⅱからの憶測でしかないですが。